開発の背景

 国連加盟国が2030年までの達成目標として掲げたSDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)において、児童虐待は17の目標と169ターゲットの1つ(16.2)として取り上げられており、世界的に取り組むべき課題と認識されています。

 

 日本においても虐待への対策が喫緊の課題であることは言うまでもありません。より効果的な児童虐待対策を進めるべく,2018年には児童相談所の児童福祉司を当時の約3200人から2000人程度増員することが、2019年には児童虐待防止法などの改正案が閣議決定されました。

 

 また,虐待被害児童などの面接については,厚生労働省,最高検察庁,警察庁の各機関が三機関の情報共有と協同を推進する通知を2015年と2018年に発出され、被害児童の負担軽減および供述の信用性確保の観点から三機関の代表者が面接を実施するなど、虐待が疑われる児童への面接はその重要性を増しています。

アバタートレーニングとは

 アバタートレーニングは、文字通りコンピュータなどの画面上に現れる「アバター」を用いた、面接者のためのシミュレーション訓練です。

 訓練で用いられるアバターは、それぞれ異なる背景で性的虐待被害が疑われる子どもであり、面接者はアバターへの面接を繰り返すことで、相手を誘導せずに正確な情報を引き出す技術を身に付けていきます。

 訓練で使用するアプリケーションは、子どもの面接に関する過去の研究知見に基づいたアルゴリズムを内蔵しています。面接シミュレーションでは、習熟した「オペレータ」が聞き取った質問をコード化してアプリケーションに入力することで、自動的にアバターの返答を選択、再生します。

柔軟な実施環境

 現在のアバタートレーニングの実施には、質問をコード化するオペレータが必要です。インタビュアとオペレータは、専用のアプリケーションを介して訓練を実施します。

 

 アプリケーションはMicrosoft Azureのサーバーで動作するため、インターネット環境さえあればインタビュアとオペレータが離れた場所にいても訓練を実施できます。

 

 そのため、訓練を実施する環境やスケジュールに合わせて、対面・遠隔のうち都合のよい実施方法を選ぶことが可能です。こうした実施環境の柔軟さから、従来の集合研修では難しかった定期的な訓練も比較的容易に実施できます。

訓練効果の検証

 アバタートレーニングの開発は、フィンランドのオーボ・アカデミー大学を中心とした国際的な協働プロジェクトとして始まりました。現在は、​米国、英国、中国、イタリア、ドイツなどの国々で協働体制が築かれています。

 日本を含めた各地で複数の実験研究が実施され、面接中にオープン質問が使われる割合が増加するなど、一貫した面接技術の向上が認められています。

​ 現在は、より効率的に技術を向上させる介入方法や、中長期的な訓練効果の維持に関する研究が計画されています。

導入を検討されている機関の方へ

現在,アバタートレーニングを改良する研究に協力していただける機関へは,無償でトレーニングを提供しています。

トレーニングの方法には,上記のフォームから予約して任意の場所(自宅,職場のインターネット接続PCなど)から遠隔で受講する方法と,私たちがお貸しする機材一式を使用して所属内で受講する方法があります(機材が在庫切れとなる場合もありますのでご了承願います)。

導入にご関心のある機関へは,検討資料の提供や遠隔でのデモを提供していますので,メッセージフォームからお気軽にご相談ください。

遠隔トレーニングを受講される方へ

 

ニューヨーク大学上海校の協力機関の方および立命館大学の司法面接研修受講者の方へトレーニングを提供しています。ご希望の方は,以下のフォームより都合の良い日時をご予約ください。

アバタートレーニング受講予約